グラウンド・ゴルフのマナーは、3つ覚えれば足ります。「立つ位置」「待つこと」「声かけ」です。
この3つは、気くばりの話ではありません。日本グラウンド・ゴルフ協会の公式ルールの第1章に、はっきり書かれています。
この記事では、打つ前後の声かけ、他の組が近いときの待ち方、ホールポスト周りの立ち位置を、手順でご説明します。初めての方でも、今日から使えます。
結論|覚えるのは「立つ位置・待つ・声かけ」の3つです
初めての参加で不安になるのは、たいてい次の3つです。どこに立てばよいか。いつ打てばよいか。何と言えばよいか。
答えは、次のとおりです。
- 立つ位置:打つ人のボールのうしろ、ホールポストのうしろには立ちません
- 待つこと:前を行く組が終わるまで、打ちません
- 声かけ:順番を飛ばして打つときは「お先に失礼します」と告げます
1番と2番は、公式ルールの第1章エチケットに書かれた決まりです。3番は、日本グラウンド・ゴルフ協会の「よくある質問」がすすめている言い方です。
出典:日本グラウンド・ゴルフ協会「グラウンド・ゴルフのルール」/同「よくある質問と答え」
なお、この記事は「周りへの気づかい」の話です。打つ順番そのものの決め方は、打つ順番の決め方にまとめています。
マナーが大事な理由|審判のいないスポーツだからです
グラウンド・ゴルフには、審判がいません。打数を数えるのも、判定するのも、プレーヤー自身です。
日本グラウンド・ゴルフ協会は、これを「自律的な行動を重視するスポーツ」と説明しています。自分自身を審判する公平さが求められる、という考え方です。
また協会は、勝ち負けよりも「結果を含めた過程を重視するスポーツ」だとも述べています。プレーヤー同士の交流や触れ合いが、とても大切にされます。
出典:日本グラウンド・ゴルフ協会「グラウンド・ゴルフの理念」
ルールは全部で16条しかありません。そのうち最初の3条が、エチケットに当てられています。マナーが後回しでない競技だ、ということです。
協会のルールにあるエチケット3条
まず、決まりそのものを見ておきましょう。下の表は、公式ルール第1章の3つの条文と、実際に使う場面をまとめたものです。
| 条 | 決まっていること | 使う場面 |
|---|---|---|
| 第1条 | 自分のプレーが終わったら、すみやかに次のプレーヤーの妨げにならない場所に行く | 打ち終わったあと。トマリのあと |
| 第2条(前半) | 同伴のプレーヤーが打つときには、話したり、ボールやホールポストの近くやうしろに立たない | 人が打つ間。ホールポストの周り |
| 第2条(後半) | 自分たちの前を行く組が終了するまで、ボールを打たない | スタートマットに立つ前 |
| 第3条 | 自分の作った穴や足跡を直して行く | ホールを離れるとき |
出典:日本グラウンド・ゴルフ協会「グラウンド・ゴルフのルール」
この4行が、マナーのすべてです。あとは、これを体の動きに直すだけです。
打つ前後の声かけ|4つの手順
声かけは、長いあいさつではありません。ひと言で足ります。順番にご説明します。
手順1 打つ前に、周りをぐるりと見ます
クラブを構える前に、顔を上げます。前後・左右に人がいないかを見てください。
人が近くにいたら、「打ちます」とひと言かけます。これは決まりではありませんが、打球が当たる事故を防げます。
手順2 ホールポストのすぐ近くなら「お先に失礼します」
ボールがホールポストのすぐ近くで止まることがあります。目安は、クラブヘッドの長さくらいです。
このときは、順番を待たずに続けて打ってよい、と協会の「よくある質問」に示されています。ただし、同伴のプレーヤーに「お先に失礼」と告げるのがエチケットだ、とも書かれています。
出典:日本グラウンド・ゴルフ協会「よくある質問と答え」/佐賀県グラウンド・ゴルフ協会「Q&A」
この一言があるだけで、場の空気が変わります。初めての方は、これだけ覚えて行ってください。
手順3 打ち終わったら、すぐに動きます
これは第1条の決まりです。打ち終わったら、次の人の妨げにならない場所へすみやかに移ります。
その場でスコアを数えたり、打ち方を振り返ったりしないでください。まず動く、数えるのは後です。
手順4 トマリが出たら、声に出して喜びます
誰かがホールインワン(トマリ)を出したら、拍手や「おめでとうございます」を。決まりではありませんが、これがいちばん喜ばれます。
トマリは打数から3打引く、大きな見せ場です。数え方はホールインワン(トマリ)の出し方と3打引きの数え方をご覧ください。

他の組が近いときの待ち方|5つの手順
ここがいちばん迷うところです。前の組がまだ近くにいる。打ってよいのか、待つのか。
答えははっきりしています。待ちます。これは決まりです。
公式ルール第2条に「自分たちの前を行く組が終了するまで、ボールを打たない」とあります。佐賀県グラウンド・ゴルフ協会も「前の組が終了したのを確認してからプレーを始めるように」と案内しています。
手順1 スタートマットに立つ前に、前を見ます
クラブを持つより先に、前のホールを見ます。人が残っていないかを確かめてください。
手順2 前の組がホールポストの近くにいたら、構えません
いちばん危ないのは、この場面です。ホールポストの周りは人が集まります。構えるのも待ってください。
手順3 待つ場所は、スタートマットの斜め後ろです
マットの真横に横一列で並ばないでください。打つ人の視界に入り、クラブも当たりやすくなります。
斜め後ろに、ひと組ずつまとまって立ちます。クラブを振っても届かない距離です。
手順4 全員が離れたのを見てから打ちます
前の組の最後の1人がトマリを出し、ホールポストから離れるまで待ちます。「たぶん大丈夫」で打たないでください。
手順5 待つ間は、日かげで水分を取ります
待ち時間は意外と長くなります。暑い季節は日かげに入り、水分を取ってください。寒い日は、体を冷やさないように動きます。
無理はしないでください。体調がすぐれないときは、1ホール休ませてもらってかまいません。

逆に、自分たちの後ろで待っている組があるときは、終わったらすぐ次のホールへ移ります。第1条の「すみやかに」は、ここにも効きます。
ホールポスト周りの立ち位置|3つの「立たない場所」
人が打つとき、どこに立てばよいか。決まりは第2条にあります。「ボールやホールポストの近くやうしろに立たない」です。
これを、立たない場所として3つに分けます。
- ボールのうしろ:打つ人の目線の先です。気が散ります
- ホールポストのうしろ・近く:狙いの先です。ボールが当たる危険もあります
- 打つ人の真横:クラブが当たります。動くと視界にも入ります
では、どこに立つか。打つ人の斜め後ろです。クラブを振っても届かない距離を取ってください。
もうひとつ、決まりではありませんが覚えておくと喜ばれることがあります。自分の影がボールやホールポストにかからない位置に立つことです。朝夕は影が長く伸びます。
そして、打つ間は話しません。これも第2条に書かれています。世間話は、打ち終わってからにしてください。

ホールポストを囲んで見物したくなる気持ちは分かります。ですが、トマリの瞬間こそ人が集まりやすく、危ない場面です。ひと足下がってご覧ください。
良かれと思っての「教える」は、相手に1打つきます
初めての方を見ていると、つい教えたくなります。「もっと強く」「右を向いて」。
ですが、ゲーム中はこれをしないでください。公式ルール第7条は、物的・人的な援助やアドバイスを求めたり、受けたりしてプレーしてはならないと定めています。反則には1打が付きます。
出典:日本グラウンド・ゴルフ協会「グラウンド・ゴルフのルール」
気をつけたいのは、1打がつくのは受けた側だという点です。教えた人ではなく、教わった初めての方が損をします。
ですから、助言は打ち終わってからにします。ラウンドが終わったあと、練習の場でどうぞ。
反則と罰打の全体像は、反則と罰打の一覧にまとめています。
なお、ボールは止まった場所からそのまま打つのが原則です。よかれと思って人のボールを動かすのも、やめてください。あるがままのルールをご覧ください。
よくある失敗と直し方
失敗1 打ち終わってから、その場で考え込む
次の人が打てません。直し方は、まず横へ2歩動くことです。スコアは動いてから数えます。
失敗2 前の組がいるのに構えてしまう
「素振りだけ」のつもりでも、周りは不安になります。直し方は、クラブを持つ前に前を見る、と順番を決めておくことです。
失敗3 ホールポストの向こう側で見ている
いちばん多い失敗です。狙いの先に人がいると、打つ方が打てません。直し方は、打つ人の斜め後ろに回ることです。
失敗4 打つ人の背中側で話している
声は思ったより届きます。直し方は、誰かが構えたら口を閉じる、と決めておくことです。ひと呼吸で終わります。
失敗5 良かれと思って打ち方を教える
教わった方に1打が付きます。直し方は、ホールが終わるまで待つことです。感想を言うだけなら問題ありません。
失敗6 足跡や穴をそのままにする
第3条の決まりです。直し方は、離れる前に足元を見て、靴で軽くならすことです。次の組が気持ちよく打てます。
失敗7 順番を間違えて打ってしまった
あわてなくて大丈夫です。佐賀県グラウンド・ゴルフ協会のQ&Aには、同伴プレーヤーが認めれば、次の打から元の打順に戻す、と示されています。ひと言おわびして続けてください。
まとめ
覚えるのは3つです。立つ位置は打つ人の斜め後ろ。前の組が終わるまで打たない。順番を飛ばすときは「お先に失礼します」。
この3つは、日本グラウンド・ゴルフ協会の公式ルール第1章に書かれた決まりです。気を回しすぎる必要はありません。
ゲーム中に打ち方を教えるのは控えてください。教わった方に1打が付きます。
審判のいない競技です。だからこそ、お互いへのひと声が、いちばんの道具になります。初めての方も、この3つだけ持って出かけてください。
よくある質問
Q1. グラウンドゴルフで、打つ人に声をかけてもよいですか。
構えているあいだは、声をかけないでください。公式ルール第2条に、同伴のプレーヤーが打つときには話さない、と書かれています。打ち終わってからにしてください。
Q2. 前の組がなかなか終わりません。先に打ってもよいですか。
いけません。第2条に「自分たちの前を行く組が終了するまで、ボールを打たない」とあります。急がせる声かけも控えてください。待つ間は日かげに入り、水分を取ってお過ごしください。
Q3. 初めての参加です。輪に入るとき、何と言えばよいですか。
「初めてです。よろしくお願いします」で十分です。分からないことは、打つ前ではなく、ホールが終わってから聞いてください。ゲーム中の助言は、受けた側に1打が付くためです。当日の流れは初参加の1日の流れにまとめています。
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